失恋した夜、いてもたってもいられず、車で海までドライブした。26歳の冬、付き合っていた人に突然別れを告げられ、心にぽっかり穴が開いた気分だった。時計は深夜1時。コンビニでコーヒーを買い、適当に高速に乗った。
行き先も決めず、ただ走りたかった。ラジオから流れる懐かしい曲に合わせて歌い、窓を開けて冷たい風を感じた。2時間ほど走って、静かな海辺にたどり着いた。波の音を聞きながら、砂浜に寝転んで空を見た。
星がやけに綺麗で、涙がこぼれた。失恋の痛みはまだ消えなかったけど、「自分はこれからも生きていくんだ」と不思議な力が湧いてきた。帰り道、朝焼けを見ながら「新しい恋も悪くないかも」なんて思った。今振り返ると、あのドライブは自分を取り戻すための旅だった。人生って、たまに無計画な冒険が必要だ。